日本で多くの人に愛されているWhitehouse Cox。革小物で多くの人に愛されているこのブランドが、先日事業終了を発表した。非常に衝撃的なニュースなのだが、今後Whitehouse Coxは買えなくなってしまうのか。結論から言うと、「買えなくなるので、購入を検討している人は早く買う」ことをオススメする。
そもそもWhitehouse Coxとは?
なんとなく革小物と言えば。。。と知っている人も多いだろうが、果たしてどういったブランドなのか。
1875年にイギリスで創業。革小物だけでなく、鞄やベルトなども作り続けているブランドだが、馬具までも作っているとか。代表的な革では有名なブライドルレザーを使用。強い耐久性を特徴として、天然素材を使いタンニン鞣しし、天然素材によって染めている。そうしてできた革を職人の手で縫い上げてできるのが、Whitehouse Coxの革小物である。
ブライドルレザーを見たことある人は知っているだろうが、表面に白い粉が付いている。この粉ははブルームと言われ、Whitehouse Coxの大きな特徴である。
Whitehouse Coxのレザーは獣脂とコッドオイル(鱈の脂)を混ぜ込んだブライドルグリースを革の表面に染み込ませている。簡単に言うと革の栄養である。ブルームと言われる白い粉は、その油分が噴出したものであり、潤沢な栄養の証拠でもある。
ブライドルレザー英国御三家
イギリスにはブライドルレザーを使用した革小物を作り続けている老舗ブランドがいくつかあり、その中でも3ブランドが英国御三家ブランドと言われている。
ETTINGER(エッティンガー)、GLENROYAL(グレンロイヤル)、そしてWhitehouse Cox(ホワイトハウスコックス)である。
そんな超有名なWhitehouse Coxが何故事業を終了してしまうのか。
世界市場では意外と無名?
日本では非常に名高いWhitehouse Coxだが、自国イギリスでは無名だったと耳にする。つまり、世界市場で見るとそこまでシェアの高いブランドでは無かったようだ。
では日本ではどうだったか。非常に人気の高い、誰もが知っているブランドである。日本で売れていれば問題ないはずではあるのだが、事業終了には昨今の財布事情が大きく関わってきていると考えている。
電子マネー普及が大きな逆風に
最近の日本では電子マネーが大きく躍進している。携帯をかざすだけでお金が支払える世界は大変便利なため、どんどん普及している。それに伴い財布の小型化→バッグの小型化がどんどん進んでいる。男性なら「鞄いらないな。。。」と感じている人も多いのではないだろうか。
一方Whitehouse Coxの財布は堅牢さが売りだ。反面財布がデカくなる。これは昨今の流れと真逆であり、Whitehouse Coxにとっては大きな逆風となった。
財布の小型化の考えたであろうが、やはり一枚の革の厚さ、丈夫さがウリのブランドにとって、財布の小型化は非常に厳しい土俵だったのではないか。
そんな私もWhitehouse Coxの販売に関わっている人物である。数年前までは大変人気のブランドだったのは揺るぎない事実である。ただ、数年前よりかなり厳しい状況になっていた。明らかに電子マネーの影響で需要にマッチしていなかったのが、本当に惜しいポイントだった。
事業廃止の理由は後継者不足
日本総代理店であるグリフィンインターナショナルの発表によると、事業廃止理由は後継者がいなかったという理由である。勿論これが大きな理由であろうが、後継者を何とか生み出すコストを考えると事業廃止を選んだということだ。景気が良ければ後継者は何とかなったであろう。
とは言え、自分も販売したこともあるWhitehouse Coxが147年も継続した歴史に幕を閉じることになるのは個人的にはとても寂しい。買い替える人もとても多いため、商品としては愛されていたブランドだと感じている。ただ、社会の流行りと乖離してしまったこと、電子化の波がこんなところにも押し寄せていることがわかるニュースだった。
2022年末を以て生産終了
現状買い替えを検討している人、新しくWhitehouse Coxの財布購入を検討している人は、早急に購入したほうが良い。今年いっぱいで生産終了となり、来年からは徐々に購入が難しくなるであろう。